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子どもと取り組む楽しい「メタ認知」

2022年8月10日

 

 こんにちは、青砥美穂です。

 皆さんは、1日の中でどのくらい空を見上げていますか。私は、空を見上げるのが好きで、青空はもちろん夜の星空や月の満ち欠けを観察するのも大好きです。空を見上げていると、今抱えている迷いや悩みがすごくちっぽけなものに思えて、すごく心穏やかになれます。みなさんはいかがですか?
 明日は満月ですね。晴れたら綺麗な丸いお月様が見られそうでとっても楽しみです。

  さて、今週のテーマは、そんなことにもちょっと関係しているかもしれませんが、自分自身を『客観的に、俯瞰して観察する認知の状態(メタ認知)』を子どもたちと意識的に楽しくつくっていくというお話です。

 『自分をメタ認知』することは、自分にしかわからない「自分の幸せ」「Well-being」をつくっていくためにもとても大切だと考えています。そして同時に、とても難しいことだとも思っています。

「わかっているようで実はわからないことも多いのが『自分』」

 そんな「自分」を客観的に俯瞰して観察していくスキルを幼い頃から楽しく習慣化できたらいいなあと思っています。

 今回は、『成長(変化)』に焦点を当てた自分の『メタ認知』のワークをご紹介させてください。

 ステップは以下の3つです:

① 何かができるようになったとき、何かを乗り越えたときに気づく

② それを俯瞰して眺め、プロセスを振り返る

③ 「思い」を言語化してもらい、一緒に讃え、記憶に刻む

① 何かができるようになったとき、何かを乗り越えたときに気づく

 まず、このワークは、何かができるようになったり、何かを乗り越えたりしたときにおこなうのですが、大切なことは、どんな小さなことでも本人にとって大切な成長に気づいてこのワークをしていくことなのではないかと感じています。
 

 例えば、「逆上がりができるようになった」、とか、「できなかった問題を解けるようになった」、「テストで良い点数を取った」、「合格した」、「メダルや賞状をもらった」などわかりやすい気付きやすい例はもちろん、「今まで恥ずかしくて挨拶できなかったのにできた」、とか、「自信がなくて踏み出せなかった一歩を踏み出せた」とか、「好きなことをちゃんと好きと伝えられた」など、「ついつい見過ごしてしまいそうなこと」で、「その子にとって重要なこと」です。

 そこに着目して気づき、一緒にそこに目を向け大切に扱っていくことは、成長に繋がることはもちろん、これからの人生で「ささやかな喜び」「他の人からはそうでもなくても自分にとって重要なこと」に気づけるという素敵なスキルを磨くことにも繋がっていく可能性が高いからです。

② それを俯瞰して眺め、プロセスに着目する


 次に、そのできるようになったこと、乗り越えたことを客観的に眺めます。「それができなかったとき」から「できるようになった今」を、俯瞰的にみてみるのです。

 もしかしたら、今は、携帯があるので振り返りやすい事例も多いかもしれません。何かができるようになったときの動画などたくさんあるのではないでしょうか。

 それらを俯瞰して眺め、そのプロセスを振り返ります。

 できるようになったり乗り越えられるようになるまでに

 「どんな失敗や辛い思いがあったか」

 「どんな葛藤があったか」

 「どうふんばったか」

 「何が(誰が)力になってくれたか」などなど

 そこから学べること、これからにいかしていけること、自分という人間の情報がたくさんたくさん詰まっていると思います。これはレジリエンスにもつながっていくのではないでしょうか。

③「思い」を言語化してもらい、一緒に讃え、記憶に刻む

  最後に、そこでの気づきや思いを言語化してもらい、一緒に讃え、記憶に刻んでいきます。

 逆上がりができるようになった7歳のJくんは、言語化していく中で「馬鹿にされても諦めない自分の強さ」に気づいたようでそこを大切にしたいと話してくれました。

 また、自分に自信が持てずモヤモヤずっと悩んでいた気持ちを乗り越えた14歳のMちゃんは、「勇気を出して親友に相談したらすごく心が軽くなっただけじゃなく、自分の良いところをたくさん教えてもらえた。『人に頼る』スキルを自分は持っている!」と嬉しそうに共有してくれました。

 それらを一緒に話し合い、讃える作業はとても楽しいです。言語化することで自分自身への理解がさらに深まり、人に伝えることもでき、その上記憶に残りやすくなるため、未来にその知恵や幸せを引き出しやすくなるのではないでしょうか。そんなワークに取り組む時間はとても幸せな時間です。

 ちなみに、言語化というと小さい子には難しいと思われるかもしれませんが、小さな子どもたちも今持っている語彙で色々な表現をしてくれます。

 先日、3歳の娘がフラダンスのウェルカムショーで、「みんなの前でお尻フリフリする(腰を振る踊りをする)のは恥ずかしい」と腰振りの振り付けの間だけ踊らずにいたのですが、3回目のショーでお尻をフリフリし出しました。どうしてできたのかを聞いてみると

「心が勝つのがわかった!」

 と話してくれました。自分の恥ずかしい気持ちに勝った感覚を自分で持てたのでしょうか。

 もちろん言語の発達や表現は個人差が大きいですが、幼い子たちに今持っている語彙の中から言語化してもらってみるとそこにもたくさんのユニークネス(個性)が詰まっていて本当に興味深いです。ありったけの語彙でしてくれる表現やその表情から、大人以上に伝わってくるものがあったり感動してしまいます。その言葉と感覚を結びつけて一緒に振り返り、自分の大切なスキルにしていけたらなあと思います。

 親子でもそういう体験を一緒に振り返って言語化してもらい、自己への理解を深めたり、記憶に刻み込めたりできるのはとてもありがたいことだとあらためて感じました。一緒に過ごす時間が多く、長期に渡って一緒にいられる親子なら(ちゃんと気づけたら)ネタもたっぷりありそうで楽しめそうです。定期的に意識的にこんな時間を持っていきたいと思っています。

 

子どもたちと自分自身を客観視、俯瞰視する認知の状態(メタ認知)を

意識的につくって習慣化してく楽しさ、面白さ

 

 みなさまも子どもたちと一緒に取り組んでみてはいかがでしょう。

 

お読みいただきありがとうございました。

続いて、この内容に関する脳神経科学からのコメント「あおとのぉと」はこちらです