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"3つのWANT"を繰り返し問いながら過ごす心地よい1日

2022年6月22日


 こんにちは、青砥美穂です。

 少し前のことですが、ある中学生が相談に来てくれました。


「同じクラスのNさんとの関係がなんかうまくいかなくてモヤモヤしています。大好きなのに、なぜか一緒にいても楽しめなくて、嫌われているんじゃないかという不安が常につきまとう。

 毎朝、『今日こそうまくいかせよう!』と強く決意して学校にいくのに、結局うまく自分を出せないまま、思ってもいないことを言ってしまったりして自己嫌悪に陥りながら1日が終わる。。その繰り返しです。」

 悩みながらも人間関係に真摯にとりくむ彼女を応援と共感の気持ちいっぱい抱きしめたい気持ちでいっぱいになってしまいました。みなさんは、似たようなモヤモヤを感じたことありませんか?私も学生時代、うまくいかせたいことほど肩肘張りすぎて、本当の自分を出せなかったり、思ってもいないこと(しかもちょっとネガティブなこと)をつい口走ってしまったりして落ち込んだ経験がたくさんありました(なんなら今でもたまにあります)。

 こんなとき、色んなアプローチがあると思うのですが、一つの方法として、より踏み込んで自分の望みを明確にしていくというやりかたがあると思います。

 なぜなら、何かを漠然と思っていたり願っているだけでは、自分の臨む行動や在り方が具体的になっていないため、惰性で過ごしてしまい結局後悔することになってしまうということになりがちだからです。

 今日は、そこを一歩、二歩、三歩踏み込んで本当の自分の望みと繋がっていくワークを紹介させてください。

 これは、何か悩みがあるときだけでなく、毎日の色んなシチュエーションの中で自分と対話しながら自分と繋がりながら過ごしていくという意味でもとってもおすすめです。

 具体的には、

「1日の中で、シチュエーションごとに3つのWANTを問うことで自分の思いや願いを確認し、実行していく」

 というワークです。

 

3つのWANTとは、

 ①  どうしたいのか、どうありたいのか

 ②  そのためにどうしたいのか

 ③ リスクに対してどう向き合いたいのか

 1日の中で、例えば朝起きてから登校/出勤、学校での授業中/仕事中、仲間とのコミュニケーション、休憩、帰宅、寝るまでの時間などと(もっと細かくても)シュチュエーションごとにこの3つのWANTを自分に問いかけ、自分としっかり対話することで自分の望みをより明確にし、それによってすべきことやしたいことも明確にしていきます。

 
相談に来てくれた中学生も自分と対話することで以下のように整理していました:

 

①  どうしたいのか、どうありたいのか

 Nさんと仲良くなりたい、一緒に楽しみたい

 自然体の自分(本当の自分)でいたい(もしも本当の自分で仲良くなれないなら仕方ない)

② そのためにどうしたいのか

 笑顔でいたい

 自分らしいポジティブな返しをしたい

 本当の気持ちを言いたい(できればポジティブな)

 楽しみたい

③ リスクに対してどう向き合いたいのか

 思ってもないことを言いそうになったら我慢したい(できなかったら次にまたトライしたい)

 整理した時点で、彼女の心はとても晴れやかになったそうです。そして、これを紙に書いて自分に言い聞かせながら数週間過ごしたというある日、

 「Nさんとは心地よい関係が築けている。それだけじゃなくて、ソワソワしたりモヤモヤしたりする時間が減って、気分良く過ごせる時間が増えて嬉しい!」と話してくれました。

 また、驚いたことに、彼女はこれを人のことが気になりすぎて自分のパフォーマンスに集中できない部活においても応用したそうです。

 以下がそのメモです:

①どうしたいのか、どうありたいのか

 本当の力を出し切りたい

 集中してかつ少しリラックスした状態でいたい

 楽しみたい

 

② そのためにどうしたいのか

 自分のパフォーマンスに集中したい

 他の人の良いところから学びたい

③リスクに対してどう向き合いたいのか

 嫉妬をポジティブに変換して学びたい

これにより、部活の時間も気持ちよく好きな自分で過ごせることが増え、それによって人との優劣より自分の成長にフォーカスして伸び伸びとパフォーマンスができるようになってきたそうです。

 「このワークをもっと色んな状況で使ってみる!」と張り切っていました。

 

 実は、私も最近、これを日常のあらゆるシチュエーションでやってみようと試みています。1日の中でシチュエーションが変わるごとに自分と対話しながら、自分の望みを知って、それを実行していくことで、自分の心が満たされている時間がものすごく増えていることに驚いています。

 例えば、1日の始まり、朝起きて出かけるまでで一つ区切ると

 そこまでに、


①どうしたいのか、どうありたいのか

 良い1日のスタートをきりたい

 自分を整えたい 良い気分でやる気になりたい

 
② そのためにどうしたいのか

 栄養バランスのとれた朝ごはん、好きな音楽、気分の上がるファッション、瞑想を楽しみたい

③リスクに対してどう向き合いたいのか 

 人や外の情報と繋がるためのスマホは緊急の連絡以外は使わず、まずは自分の内側に繋がる時間をもちたい

などなど。

 自分の意図を明確にすることにより、迷ったり惰性で過ごしてしまったりすることなく、自分の心地よい本心と繋がれていることはとってシンプルに幸せなことかもしれません。

 人生において大きな目標を掲げることもとっても素敵だし大切なことだと思う一方で、このように日々の中で一つ一つのシチュエーションと丁寧に向き合いながら自分の望みを満たしていくうこともまた素敵で大切なんじゃないかと感じます。そして、その小さな積み重ねが、大きな目標達成にも繋がっていくかもしれません。

 みなさんには、どんな日常のWANT×3がありそうですか?そこにはみなさん一人一人のユニークネスがつまっていますよね。

 最初は時間がかかるかもしれないので、朝、お昼休み、夜だけなど、自分と向き合う時間を決めてやってもいいかもしれません。もし、具体的なWANTの内容がみつからなかったりわからないときは、「それを知りたい!」というWANTにしてもいいかもしれないです。大切なのは、自分の要求を自分でクリアに理解していこうとするプロセスや習慣だと思うので難しく考えすぎないようにしています。

 これは、マインドが過去のことや未来のことにいってしまわず「今」にフォーカスするとマインドフルネスにも繋がっている気がします。

 もし興味を持ってくださった方がいらしたら、ご自身にでも大切な周りの方と一緒にでもぜひ試してみてください。例えば、ご自身や周りの大切な方が、進路、人生、など大きいことで迷われている場合でも、小さいことにフォーカスすることでみえてくることがあったり、その積み重ねで少しずつクリアになっていったり、何より心地よい時間が増えて行ったりするかもしれません。

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お読みいただきありがとうございました。

 続いて、神経科学の視点からの音声メッセージ(あおとのぉと)はこちら

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